cineX Plugins導入事例

4Kファイルベースワークフローの加速化を実現。
顧客×エディター×スタジオへの負担を劇的に軽減。

株式会社ウインクツーは、東京都内3か所にスタジオを構え、TV番組・CM・MV・映画等の編集・MAを行うポストプロダクション。
スタジオに持ち込まれる様々な作品素材から、より早く顧客のニーズを読み取り、クリエイティビティを発揮するために、エンジニアやエディター達は、日々更新される最新技術を習熟しながら、作業効率の加速と高いクオリティーを常に求め続けている。中でも、Adobe Premiere 4Kオンラインを3式稼働させているウインクツー西口スタジオ(渋谷)では、迅速に且つ安定した納品スケジュールを確立するために4Kファイルベースワークフローの軸に「cineX Plugins」を採用した。

有田 徹二 氏:現役職になるまでは第一線のエディターとして編集作業に従事。現在は編集業務も続けながら、グループリーダーとして編集グループ全体のスケジュール調整、4K編集の立ち上げなど新しい取り組みや、渋谷に2拠点ある同社編集スタジオの機材選定と管理を担当。

椎野 正樹 氏:映像プロダクションの制作担当から、ウインクツーに入社しエディターに転向。アシスタント時代から関わっていた『にっぽん縦断 こころ旅』の編集を皮切りに、『にっぽん百名山』、『COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜』など4K編集を主に担当。

4K放送の開始をきっかけに、機材とワークフローを見直し

株式会社ウインクツーでは、同社が編集を務める地上波番組の4K放送に伴い、編集室の機材を更新し4K編集を開始した。その中でもシリーズ物や長寿番組など、これまでの編集経験から構成的にも進めやすい番組から4K編集を始めたという。当初はcineX Pluginsを導入せずに4K編集を行っていたが、一度書き出したファイルに対して直接インサート編集が可能なcineXtoolsの存在を知り、同社での運用方法を検討。検証を経て、最終的にはノンリニア編集ソフト上で動作するプラグイン版のcineX Pluginsが導入された。

有田氏「cineXtoolsを知った時にはすでに弊社で4K編集は始まっていました。当時はファイルベースでインサートできる物なんて聞いたことがなかったし、簡単にできるわけがないと思っていました。その後、プラグイン版のcineX Pluginsの存在を知り、弊社の編集環境に合うと思ったので、社内でトライアル期間を設けて導入を進めました。」

「リテイク作業や直しがある度に書き出しを繰り返すのですが、4Kで編集するようになってから、書き出し工程に掛かる時間が大幅に増えてしまいました。夜通し作業になってしまうことも多く、翌日のエディターの采配や、編集室も急遽確保しなくてはならず、当初の4K編集は人も部屋もスケジュール通りに稼働できない状況が続いていました。お客さんから不満の声もあがっていましたし、私達から見ても、もっと早く終わらせたいという気持ちがかなり高まっていました。」

椎野氏「何度も修正を繰り返すので、書き出し時にはミスが生じやすく、また納品前のチェックでOKであっても、放送局内のチェック時に再度修正となることも少なくありません。その度に長時間の書き出しが必要になるので、どうにかできないかずっと考えていました。」

書き出しの回数を意図的に減らすことはできない。そのため、cineX Pluginsを活用して、書き出し工程に掛かる時間をこれまでのHD編集と同等にする方法が考えられた。

作業時間が計算でき、納品までのフローがより明確に

cineX Plugins導入以前は、編集ソフトに標準で備わっている書き出し機能を利用していたため、例え数秒の箇所を修正しただけでもビデオやオーディオ、テロップなどタイムライン上で有効となっているすべての構成要素を再度書き出す必要があった。cineX Plugins導入後は、修正が必要な箇所だけをインサート編集し、直接書き出しすることが可能になったため、書き出し工程に掛かる時間が大幅に短縮された。

有田「時間の短縮はもちろん嬉しかったですが、作業時間が計算できるようになったのが一番大きかったです。何時には納品データ渡せますとか、試写の時間とか、作業の見通しをお客さんに伝えられるようになりました。制作やプロデューサー、関わっているみんなの精神的な負担が本当に減りましたね。」

椎野「これまでのHD編集時のワークフローにかなり近づいたので、エディターとして、作業時間が読めるようになりました。試写の時間などもちゃんと伝えられるようになったので、お客さんからの評判も上々です。私は制作会社出身なので、お客さんの気持ちはすごく分かります。できるだけ予定通りの時間で進んでほしいし、早く放送局に納品して、仕事を完了させたいんですよ。」

使い慣れた編集ソフトウェアですぐに動作

ウインクツーにおけるcineX pluginsの導入検討から実際に運用に至るまでの道のりは早い。
その背景には、USBドングルを挿すだけで認識し、Premiere上ですぐに利用できる、シンプルな仕様が影響している。また、編集ソフトが入っている環境であれば、どのコンピューターでもドングルを挿しさえすれば使用できるので、普段利用している編集室が埋まっていたり、コンピューターが故障した場合でも、すぐに他の物で代用したりと、ポストプロダクションでの利用に適した仕様となっている。

椎野「Premiereの書き出し機能の中で完結するので、すごく簡単です。特にPremiereでVTRへの書き出しをやったことある人はすぐに始められますよ。」

有田「ちなみに音のインサートについては、不安があったので躊躇していましたが、4K編集はMAの直しが一番困っていたので、MAのエンジニアスタッフに協力してもらって、音に対してのインサートも試しました。結果、問題ないと判断されたので、胸を張って使えるようになりました。」

デイリー番組の編集でテロップ入れにも活用

同社が編集で携わっているNHK BSプレミアム放送の紀行番組「にっぽん縦断 こころ旅」は、月〜金曜の間、毎日朝と夜の1日2回放送される。元々HDで放送されていたが、4K放送を機に、4KとHDの同時作制作が求められた。限られた時間の中でcineX Pluginsをテロップの挿入、差し替えに効果的に活用されているという。

有田「旅番組なので元々テロップの枚数がそんなに多くはない番組なんですが、cineX Pluginsの機能を利用してテロップ入れをしています。」

椎野「デイリー納品が求められる仕事なので、前日にテロップなしの白完パケを作成。翌日にディレクターが来た時にテロップを調整して、書き出し済みの白完パケにテロップをインサートするやり方を採用しています。」

同番組では1日に試写が2回あるが、cineX Plugins の導入により、MA直しも含めた4KとHDの同時制作でも最終版をその日のうちに編集室で確認、その日のうちに予備も含めた納品データの完成を実現している。

 

株式会社ウインクツー西口スタジオでは、放送局納品の仕事が大半を占めるため、今後はXDCAMコーデック版のcineX Plugins導入も検討しているという。他の事例でも述べられている、VTRライクなインサート編集をファイルベース、ましてや4Kファイル、あるいは様々な業務用ビデオコーデックで可能にするcineXtoolsやcineX Pluginsは、これからの編集にはなくてはならない存在になるだろう。

cineX Plugins

ノンリニア編集で完成したファイルを出力後にリテイク作業が発生した場合、一度書き出したファイルに直接インサート編集を可能にするプラグイン。cineXtoolsのように別のアプリケーションを使用して修正をするのではなく、お気に入りのNLEの書き出し機能を使用して、すでに書き出されたファイルに修正を直接インサートすることができます。

トライアルライセンス(7日間)のご用意がございます。使用にはiLokユーザーIDとiLoライセンスマネージャーが必要です。
詳細はお気軽にお問い合わせください